通関士の通信講座を始める前に読むサイト

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通関士は行政書士や社会保険労務士などのいわゆる「士業」とは異なり、独立開業はしにくい資格です。
そのため、通関業者の社員として働くか、商社、メーカー、量販店ほか、通関士の知識を必要としている企業で社員として働くことが前提となってきます。

なので、通関士の収入や年収は、それぞれの会社で決められている賃金体系に沿って決まってきますが、一般的には通関士として働く人には通常の手当のほかに「通関士手当」を支給している会社が多く、その手当は月額１万～２万円といったところでしょう。

収入という面から見ますと、苦労して国家資格に合格して仕事をしているわりには、あまり年収は多くないかもしれません。しかも責任が重い仕事のわりには、多くの一般社員と通関士の年収はそんなに変わらないのです。

また、通関士の仕事の９割がデスクワークです。つまり、事務の仕事です。しかも、通関書類の作成やチェックといった仕事が中心なので、どうしても資格が給与に反映されにくい面があるのです。

「え？じゃあ頑張って取得したのにうま味がないの？」

と思われがちなのですが、実はそうではありません。

前述の通り、通関士は通関士の知識を必要とする企業で働くということが出来るため、裏を返せば通関士以外の仕事も可能であり「職種や業種の選択の幅が広い」と言い換えることができるのです。

要するに通関士の資格を持った人は必ず通関士登録を行い、通関士の実務のみを行う必要はなく、通関士の知識を必要としている割の良い企業に就職し、割の良いセクションに配属することが可能なのです。

よくある例としては、通関業者の営業をしたり、経営企画等の職種を選択することで、一般の年収より一段階高い収入を得られるケースも多くあります。

通関士の資格があると上記のような待遇の良い職種・セクションに食い込むことができます。

キャリアアップの近道

通関士の業務は会社内でも責任ある部署として扱われることが多いため、長期的な視野で見れば、将来のキャリアパスに、ひいては収入・年収アップにつながるとと言えます。

通関業者において、通関士はまちがいなく責任ある重要な位置にあります。そのことはメーカー企業や量販店で貿易業に携わるケースでも同じだと思います。

若いうちに重要度の高い仕事を任されてきた社員が、キャリア形成の過程で、課長、部長などの役職について部下をまとめる立場を任されてやすいというのは、これは社会一般の常です。

通関士の資格を取得したから、即年収アップという話しではなく、貿易業（通関業）で欠かせない国家資格保有者として会社に貢献することで、より上位の立場と、高い年収を得ていく。そのような考え方をできる方には、通関士は、比較的年収の高い職業だと感じることもできるでしょう。

それから大事なことをもうひとつ。

通関士の仕事は、税理士や行政書士のように独立はできませんが、通関業者の仕事は基本的に安定しています。

民間企業なので絶対とは言えませんが、貿易立国日本で、貿易のサポートに欠かせない通関士の仕事が衰退してしまうことなど決して起こり得ないため、仕事がなくなるといったリスクはほとんど無いと言ってもいいでしょう。

そういう意味でも通関士は、安定した収入・年収を期待できる仕事であるということが言えます。